「はじめに」

あなたが今、この文章を読んでいるということは、現在の経済状況、あるいは日本という国の在り方に、言葉にできない違和感を感じているからではないでしょうか。

「なぜ、これほどまでに息苦しいのか」 「なぜ、一生懸命に価値を生み出している人たちが報われないのか」

その答えは、テレビのニュース番組や、御用学者の書いた教科書の中にはありません。それは、今から100年近く前に火花を散らした、人類史上最も激しく、そして最も重要な**「経済思想の戦い」**の中に隠されているのです。

本書でスポットを当てるのは、3人の知の巨人たちです。 資本主義の打倒を叫び、平等という名の理想を掲げたカール・マルクス。 不況という病を治すために「政府の介入」という劇薬を処方したジョン・メイナード・ケインズ。 そして、どんなに苦しくても「個人の自由」という聖域を守り抜こうとしたフリードリヒ・ハイエク

彼らの思想は、決して過去の遺物ではありません。今日、あなたが支払った消費税、あなたが受け取る給料の額、あなたが将来受け取る(かもしれない)年金、そのすべてが彼らの思想の延長線上にあります。いわば、私たちは今もなお、彼らが描き出した設計図の中で生きているのです。

しかし、残念ながら現代の日本は、ハイエクが最も恐れた「隷属への道」を突き進んでいるように見えます。「国民のため」という美名のもとに政府が肥大化し、規制を増やし、税金を吸い上げる。その結果、私たちは自分で考え、自分で挑戦し、自分で責任を取るという、人間としての最も高貴な輝きを失いつつあります。

私は本書を通じて、あなたに**「思考の解毒剤」**を提供したいと考えています。 「大きな政府」という甘い罠が、いかにして個人の活力を削ぎ、社会全体を貧しくしていくのか。逆に、「小さな政府」という一見厳しく見える選択が、いかにして人々の創意工夫を引き出し、爆発的な繁栄をもたらすのか。そのメカニズムを、具体的かつドラマチックに解き明かしていきます。

経済学を学ぶことは、決して暗記や計算をすることではありません。それは、世界の「真のルール」を知り、誰にも支配されない自由を手に入れるための、最高の知的エンターテインメントなのです。

難しいことは抜きにしましょう。私は、あなたが仕事の合間や、移動中のわずかな時間で読み進められるよう、徹底的にやさしく、そしてエキサイティングな表現で執筆しました。読み終える頃には、あなたはニュースの裏側が見えるようになり、これからの不透明な時代をどう生き抜くべきか、その明確な答えを自分の手の中に掴んでいるはずです。

さあ、歴史を変えた3人の巨人たちと共に、知の冒険へと出かけましょう。あなたの常識が心地よく破壊され、新しい世界が開ける瞬間の興奮を、ぜひ楽しんでください。